こんにちは。練馬区大泉学園の、ひとり税理士、上原啓輔です。
本日は、【税務Q&A 所得税】一括償却資産の必要経費、を書きます。
Q:わたしは個人事業主ですが、今年の10月にノートパソコンを15万円で購入しました。ノートパソコンの法定耐用年数は4年なので、4年間で減価償却して、必要経費に算入するのでしょうか。
A:取得価額が10万円以上20万円未満の場合は、3年間で均等に減価償却して、必要経費にすることが出来ます。
解説
居住者が、不動産所得、事業所得などを営んでいる場合に、パソコンなどの事業用の資産で、取得価額が10万円以上20万円未満のものを購入した時は、一括償却資産として取得価額の3分の1ずつを、その取得した年から3年間で減価償却して、必要経費に算入出来ます(所令139①)。
従って、ご質問の場合は、5万円(15万円×1/3)ずつを毎年の減価償却費として計上することが出来ます。
この一括償却資産の必要経費算入は、青色申告者でも白色申告者でも適用することが出来ます。ただしリース資産は対象外です。
また一括償却資産の方法を選択する場合は、確定申告書に一括償却対象資産を記載した書類や計算明細書を添付し、関連書類を保存する必要があります(所令139②、③)。
なお、一括償却資産を3年間の間に除却等した場合であっても、その3年間は3分の1ずつ減価償却して必要経費に算入するため、除却損等の計上できません(所基通49-40の2)。
一括償却資産のメリットとデメリット
一括償却資産のメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- 法定耐用年数より短い期間で減価償却として必要経費に出来る
- 市区町村の償却資産税の申告対象にならない
- 細かな適用条件がない
一方で、一括償却資産のデメリットは特にありませんが、強いて言えば、恒常的に赤字の続くことが多い事業の場合は、所得税では損失を3年間しか繰り越せないので、法定耐用年数が長い資産を一括償却資産にすると、税額で不利になる可能性はあります。
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