【本の感想】『外国人の税務と手続き』


こんにちは。練馬区大泉学園の、ひとり税理士、上原啓輔です。

今日は、阿部行輝先生の『外国人の税務と手続き』の感想を書きます。

どんな本か

タイトルの通り、外国人の税務について解説している書籍です。在留資格や社会保険についても解説があるので、税務だけでなく外国人の手続き関係がトータルで理解できる、お得な内容となっています。

QA形式なので、事例がイメージしやすく読みやすいです。また所得税申告書の記載方法も掲載されているので、実務的な内容となっています。

なぜこの本を選んだのか

「非居住者の税務をしっかり勉強しよう」と思い、本書を手に取りました。外国人の税務について全体感を掴んでみたかったので、本書の内容は分かりやすく最適でした。

この本の良いところ

本書は実践的で難しい内容を扱っているのですが、比較的読みやすいと思います。

また「在留資格→税務→社会保険」という流れで、構成されているので、税務だけではなく、在留資格や、社会保険まで大まかな概要はこの1冊で学べます。

個人的には、「ワーキング・ホリデーでの来日者を雇用する際の留意点」と「ワーキング・ホリデーで来日し働いている外国人に係る税金」という事例が印象に残っています。わたしは大学卒業後にワーキング・ホリデーでカナダに行ったので、このQ&Aは興味深く読みました。ワーキング・ホリデーに係る在留資格や税金の取り扱いが理解出来て、良かったです。

また非永住者期間の計算方法の具体例も載っています。税務における期間の数え方は、ともすると非常に分かりづらく、しかも1日間違えると取り扱いがガラッと変わることがあります。この事例を参考にすれば、非居住者期間の数え方は押さえられると思います。

ちなみに著者の阿部先生は、勤務時代にお世話になったことがあり、以前たまたまお会いしたときに「『外国人の税務と手続き』読みました。めっちゃ面白かったです!」と伝えたところ、喜んでいただけたのが印象に残っています。

読後の変化

非永住者には「送金課税」という課税方法があります(所令17④一)。なかなか分かりづらい課税方式なので、実務で対応するのハードな仕組みだと思います。本書のおかげで送金課税の概要を理解できたので、勉強になりました。

送金課税の概要ですが、非永住者(非永住者っていうのも分かりずらい概念ですが…)で、日本の国外源泉所得で国外払いのものがあって、その年に国外から日本に送金してしまうと、一定の金額に課税しますよ、という制度です。送金課税されないためには、「国外から日本に送金しないこと」がポイントです。

もし今後、非永住者の確定申告を行う時は、所得の区分、所得の支払い方法、日本への送金の有無をきちんと確認することが肝要だと思いました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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