【源泉所得税】非居住者に支払う翻訳料は源泉徴収が必要?


こんにちは。練馬区大泉学園のひとり税理士、上原啓輔です。

本日は、【税務Q&A 源泉所得税】 非居住者に支払う翻訳料、を書きます。

Q:当社(内国法人)は、小説などの翻訳業を行っています。各国の非居住者に翻訳を依頼し、その対価を支払います。翻訳物は、当社に所有権が帰属します。

現在、アメリカ、韓国の非居住者に、それぞれ小説の翻訳を依頼しています。この場合、翻訳の対価の支払い時に、源泉徴収は必要でしょうか?

A:各国との租税条約により取り扱いが異なりますが、アメリカは免税、韓国は10%の源泉徴収が必要と考えます。

日本の国内法

小説などの翻訳物は、著作権法第2条第1項第11号の規定により二次的著作物に該当します。日本の国内法上は、著作権の使用料またはその譲渡による対価は、日本の国内源泉所得となります(所得税法第161条第1項第11号ロ)。しかしながら、各国との租税条約の規定により、取り扱いが異なる場合があります。

アメリカの非居住者への支払い

日米租税条約第12条の規定により、著作権の使用料等は免税とされています。よって、アメリカ人である非居住者への翻訳の対価の支払いは、源泉徴収は不要です。

韓国の非居住者への支払い

日韓租税条約第12条の規定により、著作権の使用料等の限度税率は10%と定められています。よって、韓国人である非居住者への翻訳の対価の支払い時に、10%の源泉徴収が必要です。

租税条約の届出

上記の免税や限度税率の適用を受けるためには、租税条約の届出書など、支払い時の前日までに所定の手続きが必要となりますので、留意が必要です。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/1648_41.htm

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/annai/pdf2/266.pdf

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