【法人税】給与か、外注費か。実態で判断する!


こんにちは。東京都練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。

人を採用すると、雇用契約を結び、給与を支払います。

フリーランスに外注を出すと、業務委託契約を結び、外注費を支払います。

どちらも経費ですが、消費税や社会保険の取り扱いが変わってきます。

そこで節税的な視点から2つを使い分けようとする場合があります。

しかし、恣意的な使い分けは、税務的、社会保険的にリスクになります。

かならず、実態に沿った処理をするように心がけましょう。

給与と外注費の考え方が、消費税の基本通達に示されています(消基通1-1-1)。

事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。

参考:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/20230930/01/01.htm

上記の通達をフローチャートにすると、このようになります。

給与と外注費の取り扱いの違いは、下記表のようになります。

単純に消費税と社会保険の観点からは、外注費の方が有利となります。

上記の取り扱いの違いから分かるように、消費税や社会保険の点からは、外注費の方が会社的には有利になります。

そのため、本来は給与であるはずのものを、外注費で処理しようする会社があります。

税務調査でそのことが発覚し、外注費→給与と認定されると、消費税の仕入税額控除が否認されるので、大きなインパクトとなります。

加算税の負担も発生します。

そのため、本来は給与であるものを外注費として処理することは絶対にやめましょう

外注費と給与の線引きは、時に曖昧で判断が難しい場合があります。

業務委託契約を結んでいたとしても、実質的には雇用契約と変わらず給与と認定されることがあります。

確認が必要な場合は、事前に税理士に相談されることをおすすめします。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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