【所得税】外国親会社から受けるストックオプションの課税関係


こんにちは。東京都練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。

外資系企業に勤めていると、外国の親会社からストックオプションを受けることがあります。

本日は、「外国親会社から受けるストックオプションの課税関係」を記載します。

ストックオプションとは、役員や従業員に一定の期間に一定の自社株を、一定の価額(権利行使価額)で購入する権利を与える制度です。

役員や従業員からすると、会社の業績が上がり、株価が上がると、自社株を取得し売却することで、利益を得ることが出来ます。

会社の業績を伸ばすためのインセンティブとして導入される制度です。

ストックオプションの流れを図示すると、このようになります。

外国親会社から受けるストックオプションは、税制非適格ストックオプションとなります(措法29の2)。

この場合は、ストックオプションの付与時には課税されず、そのストックオプションを行使した日の属する給与所得として所得税が課せられます(所令84③)。

また売却時に値上げ利益がある場合は、株式譲渡所得として、課税されます。

※一般的には、権利行使と売却は同時にされることが多いので、その場合は給与所得のみが課せられます。

  • Grant(権利付与時):1株10ドル
  • Exercise(権利行使時):1株50ドル
  • Sale(株式譲渡時):1株70ドル

権利行使時の給与所得:50ドル – 10ドル=40ドル

売却時の株式譲渡所得:70ドル – 50ドル=20ドル

※権利行使と売却が同時に行われた場合は、給与所得の40ドルのみが課されます(譲渡益が発生しないため)。

ストックオプションなどの報酬を受け取ると、会社から「外国親会社等が国内の役員等に供与等をした経済的利益に関する調書」が配布されます。

確定申告はこの調書を参照しながら行うと、スムーズに進みます。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/1255.htm

ストックオプションの権利行使&売却時には、確定申告が必要です。

確定申告を失念すると、申告漏れとなってしまうので留意が必要です。

参考:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/230428/index.htm

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