【個人、法人】個人事業から法人成りの留意点② 個人事業主の資産の引き継ぎ


こんにちは。練馬区大泉学園のひとり税理士、上原啓輔です。

最近、法人成りの相談を受けることがあります。

個人事業主から法人成りをする場合は、検討すべき事項が多くあります。

今回は「個人事業主の資産の引き継ぎ」について、ポイントを解説します。

個人事業主が法人成りをした場合には、1月1日~法人成り(事業廃止の日)までの所得について、確定申告をする必要があります。引継ぎの価額については、個人事業主と法人間の取引となるため、時価取引が原則となります。

商品などの棚卸資産

商品などを法人成りによって、新設した法人に引き継いだ場合は、その譲渡対価を個人事業の売上高に加算します。

商品などの譲渡対価は、譲渡所得ではなく、事業所得に該当します。

また譲渡対価は、「通常の販売価格×70%」相当額以上で譲渡した場合には、「著しく低い価額の対価による譲渡(所法40①二)」の規定は適用されません(所基通40-2)。

従って譲渡対価は、商品の帳簿価額(=仕入価額)か、通常の販売価格×70%のいずれか大きい金額として、新設法人に売却します。

一般的には「帳簿価額」で売却する場合が多いと思います。

一括償却資産や少額減価償却資産

譲渡所得ではなく、事業所得に該当します(所法33②、所令81)。

店舗、敷地、備品など

個人事業の店舗や敷地、備品などを新設会社に引き継いだ場合は、譲渡所得に該当します。

時価の2分の1未満で譲渡した場合は、時価で譲渡したものとみなされるので、留意が必要です(所法59①二、所令169)。

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