こんにちは。練馬区大泉学園の税理士、上原啓輔です。
最近読んだ専門書の感想です。
村上先生の「経験がなくて不安な税理士・調査官のための税務調査を今一度ちゃんと考えてみる本」です。
Xのポストで一時期よく見かけていたので、手に取ってみました。
村上先生の個人的な経験や胸の内が書かれていて、興味深く読みました。
ちなみに著者の村上先生の経歴が凄くて、東京国税局→監査法人(会計士試験に合格している)→法律事務所→開業、となっています。
税務調査関連の本は、面白い
税務調査関連の本は時々読みます。
独立してから税務調査の経験はないのですが、勤務時代は時々ありました。
「税務調査」というとやはり身構えてしまいますが、税務調査対応は税理士にとって立派な業務の一つです。
普段から、法令に即した税務会計処理をしていれば、税務調査を過度に恐れる必要はないと思いますが、思わぬ指摘を受けることもあります。
わたしは税務署に勤務していた経験が無いので、税務署の内側を知るすべはありません。
著者の村上先生は、税務署に勤務していたので、本書は税務署の視点で書かれている部分も多いです。
元税務署の職員の方が書いた税務調査の本は、税務署の内情が透けて見えるので、面白いです。
税務調査ってどのくらいの割合で来るの?
国税庁の発表によると、令和5年度分の法人税の申告件数は317万社です。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/hojin_chosa/index.htm
また、こちらの国税の資料によると、税務調査の件数は約6万件です。
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/hojin_chosa/index.htm
2%くらいの割合で税務調査がきているイメージでしょうか。
仮に過去3年間同じような割合とすると、3年間で6%くらいは税務調査に来ている感じです。
「設立以来一度も税務調査が来ていない」という法人も多いと思いますが、データからも税務調査が来る確率はそれほど高くないように感じます。
とはいえ、「うちには税務調査はこない」と考えるのではなく、普段から適正な税務会計の処理をして、納税をきちんと行うことが重要です。
こんな事例あるの?と思った事例
本書で書かれている事例で、一つ驚いたものがあります。
無申告を続けている法人で、その代表者に理由を聞いたところ、こんな答えが返ってきたそうです。
・無申告でも税務署が定期的に調査に来て、申告書を作ってくれる。加算税はかかるけれど、税理士報酬がかからないので、損はしていない、と。
これは強烈ですね(;’∀’)
会計事務所業界にいると、税理士に依頼するクライアントとしか接しないのですが、こんな考え方もあるんだなーと。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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