【税務Q&A 所得税】生活用の資産を事業用に転用した場合の減価償却費


こんにちは。練馬区大泉学園の、ひとり税理士、上原啓輔です。

本日は、【税務Q&A 所得税】生活用の資産を事業用に転用した場合の減価償却費、を書きます。

質問:わたしは2024年2月に個人事業を開業しました。従来からプライベートで使っていた普通車を、営業用に転用しました。この車は2022年2月に200万円で購入したものです。この場合は、2024年分の減価償却費はどのように計算するのでしょうか。

答え:生活用の資産を事業用に供した場合は、事業を開始した時点での未償却残高を求めて、そのうえで事業の減価償却費を計算することなります。

概要

非業務用の減価償却資産を業務の用に供した場合の、その業務の用に供した後におけるその資産の償却費の額は、その資産の取得価額(取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額)に、その資産の耐用年数に1.5を乗じて計算した年数(1年未満の端数がある場合は切り捨てます。)により旧定額法の方法で計算した金額を基に、その資産を取得した日から業務の用に供した日までの期間(1年未満の端数が生じた場合は、6か月以上は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます。)に係る年数を乗じた金額を取得価額から控除した金額を未償却残額として計算します(所得税法施行令第135条)。
参考:国税庁HP 非業務用資産を業務の用に供した場合

つまり、次の算式により未償却残高を計算します(所令85①)。

未償却残高=(その資産の取得価額) - (業務の用に供されていなかった期間の年数につきその資産の耐用年数の1.5倍に相当する年数で、旧定額法に準じて計算した減価の額)
 (注)1.5倍して計算した耐用年数に1年未満の端数がある時は切り捨てます。また業務の用に供されていなかった期間の年数に6か月以上の端数があるときは1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます(所令85②)

計算例

ご質問の事例にあてはめると、減価償却費の計算は次のようになります。

〈未償却残高の計算〉

200万円ー200万円×0.9(旧定額法のため)×0.111(法定耐用年数6年×1.5=9年の償却率)×12月/12月×2年=1,600,400円

〈減価償却費の計算〉

1.定率法を採用している場合

1,600,400円×0.333×11月/12月=488,522円

2.定額法を採用している場合

200万円×0.167×11月/12月=306,166円

参考:国税庁 耐用年数表

家事按分

もし、車をプライベートと事業の両方で使用している場合は、走行距離などの合理的な方法で按分計算して、減価償却費のうち事業で使用している分のみを、事業経費とする必要があります(所法45①一、所令96、所基通45-2)。

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