こんにちは。練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。
個人事業主の確定申告は、青色申告をすることがほとんどかと思います。
青色申告には、特別控除があります。
55万円、65万円、10万円の3種類があります。
本日はその違いを解説します。
目次
帳簿のレベルで、青色申告特別控除の金額が変わる。
青色申告特別控除の金額は、帳簿のレベルで変わります(所法148、所規56、昭42.8.31大蔵省告示112号)。
10万円の特別控除
この場合は、「簡易簿記」の作成で事足ります。
お小遣い帳感覚で作成できます。
原則として、以下の5種類の帳簿書類の作成が必要です。
- 現金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
また必要に応じて、預金出納帳、債権債務記入帳、手形記入帳なども必要となります。
現金式簡易簿記(10万円の特別控除)
上記よりさらに簡易な帳簿は、「現金式簡易簿記」です。
こちらは現金主義により、現金の動きだけを帳簿に作成すれば事足ります。
ただし、前々年の所得金額が300万円以下の事業所得者のみが対象です(所令195)。
また、貸倒引当金などが経費にならないため、青色申告のメリットは少なくなります。
55万円の特別控除
「複式簿記」による記帳をしている場合は、55万円の特別控除を受けることが出来ます。
必要な帳簿は以下のものがあります
- 主要簿(仕訳帳、総勘定元帳)
- 補助簿(現金出納帳、売掛帳、買掛帳、固定資産台帳、預金出納帳など)
上記の「簡易簿記」や「現金式簡易簿記」よりは、帳簿作成の難易度が上がります。
しかしながら、クライド会計などを利用することで、以前よりは複式簿記での帳簿作成のハードルは下がっています。
65万円の特別控除
上記55万円の特別控除に加えて、①e-Taxによる電子申告か、②優良な電子帳簿の保存、をしていれば65万円の特別控除を受けられます。
一般的には、①e-Taxによる電子申告により、65万円の特別控除を受ける場合が多いです。
個人事業者の場合は、クライド会計を利用して複式簿記により帳簿を作成して、e-taxによる電子申告をしていれば、65万円の特別控除が受けられます。
不動産所得の場合の留意点
不動産所得の場合は、「事業的規模でない場合」は、10万円の特別控除しか選べません。
事業的規模とは、独立した部屋が10室以上、一戸建てなら5棟以上、という要件のことです(所基通26-9)。
まとめ
上記のように、青色申告の特別控除は10万円、55万円、65万円の3段階がありあます。
ご自身の事業規模や記帳レベルに応じて、最適な控除額を受けるようにしましょう!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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