【本の感想】『個人の国際税務Q&A183: 日本人と外国人の税務のすべて』


こんにちは。練馬区大泉学園の税理士、上原啓輔です。

最近読んだ専門書の感想です。

阿部行輝先生の「個人の国際税務Q&A183: 日本人と外国人の税務のすべて」です。

副題に「~すべて」と入っているだけあり、かなりの情報が詰まった1冊でした。

非居住者関連の税務であれば、この1冊を読めばバッチリだと思います。

400ページくらいあるので、読了には少し時間がかかりましたが、とても勉強になりました。

最近、個人の国際税務関連の書籍を何冊か読んでいます。

そのなかで、この「個人の国際税務Q&A183: 日本人と外国人の税務のすべて」が一番ボリュームがありました。

阿部先生は、前職でお世話になったことがあり、またXでもつながったので、勝手に親近感を抱いています(私淑している、と言ってもいいかもしれません)。

クロスボーダー取引の税務は難易度が高いため、なかなか取っ付きづらい所があります。

しかし、基本は日本の税制が適用されますので、事実認定→法律の解釈→あてはめ、という手順を踏んで、結論を出すことになります。

ただし、様々な要素や、見慣れない取引、また租税条約も確認する必要があるため、検討に時間がかかります。

本書は、183個の事例をQ&A形式で紹介しています。

そのため、今まさに自分が直面している問題と似たような事例を見つけることが出来ます(183個も事例が載っているので、少なくとも見つけることが出来る可能性は高いと思います)。

所得区分ごとの取り扱いや、税務調査について、さらには在留資格や社会保険関係も記載がありますので、非居住者の税務やその周辺知識を広く学ぶことが出来ます。

以前、紹介会社経由で、ストック・オプションの質問を受けたことがあります。

手元にストック・オプションの書籍がなく、「どうしようかなー」と思っていました。

(インセンティブ報酬の専門書はこちらがおすすめですが、少々古いので購入をためらってます。。https://amzn.to/4g2VMmt

実際の案件にはならなかったのですが、事前にストック・オプションの課税関係を調べる際に、本書に助けられました。

本書の掲載事例が、「外国親会社から発行されいているもの」なので、留意は必要ですが、ストック・オプションの概要を再確認できてよかったです。

ストック・オプション以外にも、リストリクテッド・ストック、やリストリクテッド・ストック・ユニットの解説も載っています。

非居住者や外国人関連の税務に携わっている人には、ある意味、必須の1冊である気がします。

また、これから非居住者の税務業務を行っていきたい人にも、おすすめです。

数値を使った具体例なども豊富ですので、実際の申告場面を想定した読み方が出来ると思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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