こんにちは。練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。
本日は、非居住者の172条による「準確定申告」の記事を書きます。
あまり実務では出てこない論点ですが、出てきたときに結構戸惑います。
いざという時のために、事前に確認をしておくことが重要です。
※なお、相続が発生したときの準確定申告とは別の取扱いになります。
非居住者の172条による「準確定申告」とは
たとえば、海外で働いている日本人をイメージしてください。
そのような方は通常は「非居住者」となります。
非居住者が日本に来て働くと、それは日本の「国内源泉所得」となり、日本で課税が発生します(所法7①三、161①十二イ)。
給与所得者の源泉地は、「どこで働いたか」で決まるからです。
そのような方が日本で申告するために、「172条による準確定申告」があります。
172条による「準確定申告」の提出が必要なケース
172条による「準確定申告」の提出が必要なケースは、限定的です。
たとえば以下の全てに当てはまるケースです。
- 非居住者が日本で働いた(国内源泉所得)
- 給与の支払者が「外国法人」である
(「日本法人」の場合は、給与支払い時に源泉徴収がなされ、日本での課税関係は終了します。よって「172条による準確定申告書」の提出は不要です。 - 上記「外国法人」は、日本に支店を有していない。
このようなケースですと、日本で働いた分の給与について、日本側は税金の徴収ができません。
なので、172条の準確定申告を提出することで、日本での納税義務を果たす必要があります。
給与以外も対象になる
172条の準確定申告は、退職所得や人的役務の提供(フリーランス)なども、対象となります。
非居住者のフリーランスの方は、特に申告漏れが無いように注意する必要があります。
税額の計算方法
税額計算の方法は、シンプルです。
額面金額に20.42%の税率を掛けて、終了です(所法164②二、169、170)。
給与所得控除などの適用はありません。
国税庁のホームページに、フォーマットがあります。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/pdf/027.pdf
申告期限
申告期限は、ステータスによって2つあります。
- 納税者が翌年の3月15日まで日本にいる場合・・・翌年3月15日
- 納税者が翌年の3月15日以前に日本に居所を有しなくなる場合・・・居所を有しなくなる日
(納税管理人を選任していても、居所を有しなくなった後に提出した場合は、期限後申告となります)
短期滞在者免税
租税条約の規定には「短期滞在者免税」という規定があります。
ざっくり言うと、「非居住者が183日以下の日数で日本に働いた場合は、日本で課税しません。」というルールです。
「短期滞在者免税」に当てはまる場合は、そもそも日本では免税となるので、172条による準確定申告は不要です。
「短期滞在者免税」については、租税条約ごとに細かな違いがあります。
詳しくは、こちらのブログをご参照ください。
まとめ
172条による準確定申告は、実務で出てくることは少ないと思います。
ただし出てきたときに混乱する論点でもあるので、慎重に検討が必要となります。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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