こんにちは。練馬区大泉学園のひとり税理士、上原啓輔です。
先日、ある会合でいただいたチラシに、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』のこんな一文が紹介されていました。書く仕事をしている主人公が、書くという行為についてこんなことを言っている場面です。
「書くというほどのことじゃないです。誰かが書かなくてはならない。で、僕が書いてるんです。雪かきと同じです」
わたしは長野の生まれなのですが、冬は雪が降ります。社会人になってから、当時勤めていた事務所の雪かきをよくやっていました。雪の日はいつもより早く出社して、雪かきをします。大雪の時は、朝に雪をかいても、昼ごろにはまた積もっています。雪国の人なら、かいた先から雪が積もっていく、あの何とも言えない無情感を大かれ少なかれ共有できると思います。
とまー、そんなこんなで、雪かきというのは誰かに褒められるためにやるわけではなく、やらないと誰かが困るからやります。雪かきを一生懸命に頑張っても、誰かに称賛されるわけでもないですし、お金をもらえるわけでもないです。
会計事務所の仕事は、成果が見えづらいです。基本は事務作業です。帳簿をつけたり税金の計算をしたりと、専門知識がないとなかなか難しいので、多くの企業や個人事業主の方は、会計事務所にそういった仕事を依頼します。
会計事務所の仕事が雪かきと同じとは思いませんが、誰かに称賛されような仕事ではないですし、あまり目立たないです。いつの間にか帳簿が出来ていて、税金の計算が正しく出来て、依頼者の納税義務を果たすための仕事をしています。
結論は何もないのですが、今日は朝から黙々とお客さんの会計帳簿を作成していて、「税理士は目立たないけど、社会に必要とされている仕事です、わたしは社会の構成員として頑張っています。」とぶつぶつ言いながら、ずっと仕事をしています。
目の前の仕事を丁寧にしっかり行う、称賛はされないけれど、誰かがやるべき仕事である。会計事務所の仕事は、ちょっとだけ雪かきに似ているな、と思う月曜の昼下がりでした。
こんなことブログに書いてますが、雪かきも、会計事務所の仕事も好きです、実は。ずっと作業している感じが性に合っているのだと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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