こんにちは。練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。
本日は「法人税の計算の、大まかな流れ」を書きます。
法人税の所得計算は、会計の利益計算をベースに行う
法人税の所得計算は、会計の利益計算をベースに行います。
会計の利益計算は、「売上 ー 経費」となります。
まずは会計の利益計算を完了させます。
そのうえで、法人税特有の計算の考えがあるので、その違いを会計の利益計算にプラスしたり、マイナスしたりします。
このようにして、法人税の所得計算を行います。
その所得に法人税率を掛けて、法人税を算出します(だいたい25%前後の実行税率になることが多いように思います)
図にするとこんな感じ
図にするとこんな感じです。

「益金」というのは、法人税法上の収益のようなものです。
「損金」というのは、法人税法上の経費のようなものです。
「利益」と「所得」はほぼ同じですが、微妙に違うので、法人税の申告書でその違いを所得に反映させていきます。
大企業とかですと、利益と所得の計算が大きく違う場合があり、その際は法人税の申告書で多くの税務調整をする場合があります。
ただ一般的な中小企業ですと、そこまで利益と所得は違ってこない場合が多い印象です。
利益と所得の違いの、代表的な項目
利益と所得の計算で違うものとして、代表的な項目がいくつかあります。
- 交際費
会計上は交際費はいくら計上しても、経費になります。
しかし法人税では、800万円までしか損金(法人税上の経費のようなもの)にしないよ、というルールがあります。
そのため、800万円を超える交際費は、損金にならず、法人税が増えます。 - 役員報酬
役員報酬に関しても、法人税にはいくつもルールがあります。
例えば、法人税では「役員報酬は毎月同額でないと損金にならない」などの独特のルールがあり、そこから外れると損金になりません。
そうなると、いくら会計上で役員報酬を計上していても、損金にならず、結果として法人が増えてしまいます。 - 引当金
会計上、貸倒引当金や賞与引当金、退職給付引当金などの、引当金を計上することがあります。
ただ法人税では、このような引当金は、損金になりません(貸倒引当金は、一定の場合は損金になります)。
(見積もり計算で計上した経費を損金にすることは、課税の公平を損なう、という基準なのかなと思います。)
法人税は、日常生活と全く無縁のルールで、計算される
法人税は、すべて人が作り出したルールに基づいて計算されます。
様々な用語からして日常生活とは全く無縁の世界です。
法人税の計算は複雑怪奇なものが多いので、困ったら会計事務所に相談するのが良いと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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