自宅マンションを賃貸に出す場合の、減価償却費


こんにちは。練馬区大泉学園で会計事務所を運営している、税理士の上原啓輔です。

転勤などにともない、自宅マンションを賃貸に出す場合があると思います。

その場合、賃貸収入は確定申告が必要ですが、経費としてマンションの減価償却費を計上できます。

本日は、減価償却の計算方法を解説します。

減価償却費の計算は、「取得価額 × 償却率 × 賃貸開始月/12」で計算します。

償却率はマンションの場合は、鉄筋コンクリートなので0.022(耐用年数47年、定額法)になります。

年の途中から賃貸を開始した場合は、月数按分します。

例えば、9月1日から貸し始めたら、12月31日までの4ヶ月になります(4月/12月となります)。

1ヶ月未満は切り上げるので、仮に9月30日から貸し始めても4ヶ月になります。

【具体例】

  • マンションの取得価額:3,000万
  • 賃貸開始:9月1日

減価償却費=30,000,000円 × 0.022 × 4/12 =220,000円(1円未満切り上げ)

未償却残高とは、「取得価額 ー 減価償却費」で計算します。

確定申告書に「未償却残高」を記載する欄があるので、計算が必要となります。

住んでいた時までの未償却残高の計算

まず住んでいた時のまでの減価償却費は、「マンションの取得価額 × 0.9 × 0.015 × 住んでいた年数」で計算します。

未償却残高を計算するときは、旧定額法を使います。よって0.9を掛けます。

耐用年数47年×1.5年=70年をつかいます。70年に対応する償却率は0.015となります。

住んでいた年数は、次のように計算します。

例えば、マンションを2019年5月1日に購入して、2024年8月31日まで住んでいた場合は、5年4ヶ月となります。

6月未満のときは切り捨てますので、住んでいた期間は5年として計算します。

マンションの建物の取得価額が3,000万のときは、「30,000,000円 × 0.9 × 0.015 × 5年 = 2,025,000円」

よって、住んでいた時までの未償却残高は、「30,000,000円 - 2,025,000円 = 27,975,000円」となります。

賃貸に出した年末の未償却残高

先に計算した220,000円が、賃貸に出した年の減価償却費です。

よって、賃貸に出した年末の未償却残高は「27,975,000円 ー 220,000円 = 27,755,000円」となります。

参考1:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/04/17.htm

参考2:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_02.pdf

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